ニコメドの繋ぎ・重ねで意識している3つのポイント #ニコメド記事投稿祭
こちらの記事は ニコメド記事投稿祭 参加作品です。
詳細は↓をご覧ください!
https://ketoku.hatenablog.com/entry/2020/03/23/074508
前書き
わりと長い間メドレーを作り続けてきたのですが、拙作を「繋ぎや重ねが安定している」と評していただくことがそこそこあります。
大変うれしいことですし自信にもつながるのですが、一つだけ悩ましいことがありました。
上手い繋ぎや重ねってなんだ?
そう!何が上手いのか自分でもわかっていないのである!
正確には頭でイメージがあってそれに沿って作っているが、説明がしづらい内容なのです。
メドレーを作った後の解説ブロマガで「こういう意図で~」みたいな話はしているのですが、正直伝わっていないのではという思いが強いです。
そこで今回は、繋ぎ・重ねを作る際に何を意識しているのか整理してみることにしました!
自分の脳内を整理するとともに、読んでくれた誰かが真似してくれたらな~という淡い期待もあります。
本記事では以下の3つについて話しています。
とっつきやすいようにメロディーに関してのみ述べています。コードとかの難しいお話は出てきません。
- メロディーの音の長さがあっているか
- 小節をまたぐメロディーの有無
- メロディーの隙間・ぶつかりをなくす
注意事項 ※必読
この記事は「簡単なメドレーが作れる」程度の人を対象にしています。
「これからメドレー作りたい!」みたいな方は他の記事を読むことをお勧めします。
こちらとかがお勧めです → ■
この記事内の意見はすべて個人的な意見です。
繋ぎや重ねに正解はありません。「それは違うよ!」ってなっても正しいです。
また、例えをするために自作メドレーをめちゃくちゃ出しています。
以上を踏まえたうえで、暇があったら読んでもらえると嬉しいです。
メロディーの音の長さがあっているか
重ねを作るときに有効となる見方です。
原曲の影響が強く出る原曲メドレーでは特に意識をしています。
言われてもピンと来ないと思うので、実例で説明します。
IMAGINATIONの「ノーポイッ! × Touch Tap Baby」を例に見ていきましょう。
(2:57~)
この2曲のメロディーを打ち込んだものが下になります。
制作したとき、これらを「メロディーのリズムがあっている」と思って重ねました。
「メロディーのリズムが合う」とはどういう意味でしょうか?
分かりやすくするために補助線を引いてみました。
これでわかりやすくなりました。
メロディーのリズムが合う とは、 メロディーの音の長さが同じである ということです。
この2曲の冒頭は、音符で表すとどちらも「4 8 4 4 4」になっています。
「そうは言ってもずっとリズムがある曲の組み合わせとかねえだろ!」と思った方、まさにその通りです。
なので、自分は メロディーのどこかで3~5個ほど長さがあっているもの を探してきています。
ここぞという箇所だけでも合わせると、上手く合ったと思わせるられるのではないでしょうか。
問題はどの部分を合わせるかですが、オススメは冒頭です。上の例がそうですね。
冒頭のリズムが一致することで、残りが微妙でもいい合わせ方という印象が残ります。
状況によっては途中であっているものを採用することもあります。
VACATIONの「daze × sakura storm」が一例です。
こちらは、サビの7~8小節目の3個(赤枠部分)の音の長さが一致しています。
(6:21~)
小節をまたぐメロディーの有無
「小節をまたぐメロディー」とは何を指すのかから説明します。
音楽用語では シンコペーション と言われる技術の一つと言われています。(詳細はGoogle先生に聞いて)
シンコペーションの例として、僕らは今のなかでのサビ前半を見ていきます。
小節を紫色で強調してみました。線をまたぐ音がいくつかありますね。(赤丸部分)
これがシンコペーション効果をもたらしている音です。
この曲では、2, 4, 5, 6, 7, 8 小節目にシンコペーションが使われています。
本題に戻ります。
きれいな重ねを生み出すうえで、この シンコペーションの有無 は意識する必要があります。
シンコペーションのタイミングが一致していると重ねが上手く聞こえます。
こちらも例を見ていきましょう。HALATIONの「サマータイムレコード × 紅蓮の弓矢」です。
(4:14~)
前半のメロディーを取り出してみました。
先ほどと同じく、シンコペーションに〇をつけます。
どちらも偶数(2, 4, 6, 8)小節に付きました。
このことから、この2曲はシンコペーションが使われるタイミングが同じといえます。
シンコペーションの有無をそろえるだけでも上手く重なったように聞こえます。
シンコペーションは繋ぎを考えるうえでも重要となります。
1~2小節程度で切り替わる駆け抜ける系の繋ぎでは、シンコペーションと共通音を組み合わせると強力な武器になります。
こちらはALTERNATIONの「Perfect-area complete! → 青春はNon-Stop! → 僕らは今のなかで」で説明します。
(3:11~)
ここまで読んでくれた方ならわかると思います。シンコペーションばっかりですね。
前2曲のサビは、どちらも全ての小節でシンコペーションが使われています。僕らは今のなかでは先ほど説明したので省略。
この部分では、3, 5小節目(155, 157)で曲が切り替わっています。
切替前後の両方でシンコペーションが使われている小節で切り替えると、スムーズな切り替えができます。
前2曲について詳しく見てみます。周辺のメロディーを復活させています。
3小節目(155)の部分を見ると、どちらもシンコペーションが使われており、かつ音程も同じ(共通音)ですね。
矢印で示したように、この部分で曲を切り替えると完成です。きれいに繋がりました。
ここまで読んで「2小節目(154)でも切り替えられるのでは?」と思った方はとても才能があります。
投稿したものでは3小節目で切り替えましたが、2小節目で切り替えてもきれいになるはずです。
メロディーの隙間・ぶつかりをなくす
本項は言語化が難しいので、一旦タイトルは無視でお願いします。
趣向を変えて、クイズ形式にしてみます。
[問題] キラメキラリ [歌詞:私を私と呼びたい] の次に一番きれいに繋がる曲は次のうちどれでしょうか?
① Daydream café [歌詞:こころぴょんぴょん待ち? 考えるふりして]
② ニッポン笑顔百景 [歌詞:笑おう 笑おう さあ 笑いましょ]
③ インビジブル [歌詞:大嫌い嫌い嫌いな僕が]
それぞれのメロディーは次のとおりです。ここでは既に調をそろえているとします。
正解は ② です!わかりましたか?
※冒頭で書きましたが、あくまでも個人的な考えです。正解以外の繋ぎをしたメドレーがあっても批難しているわけではありません。
解説です。
まずキラメキラリですが、メロディーの終わり方を音符で表すと「4 4 4」になっています。
注目すべきは最後の音です。最後が3拍目の4分音符で終わっています。
このとき、4拍目にはメロディーがありません。これを メロディーの隙間 と呼ぶことにします。
このメロディーの隙間を埋めることがきれいに繋ぐことのコツだと考えています。
以上を踏まえて、それぞれの回答を繋いでみましょう。
まずは「③インビジブル」です。こんな感じですね。
メロディーの隙間が埋まっていません。よって、こちらは不正解とします。
次に「①Daydream café」を繋いでみます。
メロディーの隙間が埋まりましたね。これも正解なのでは?
ただ、別の問題が生じています。それが メロディーのぶつかり です。
キラメキラリのメロディーが残っている3拍目に、Daydream caféのメロディーが食い込んでいますね。
実際にメロディーを歌うと「呼び た ぃこころ」みたいになり、"い" と "こ" が重なり気味です。
これだとせわしなさが出てしまいますね。よって、こちらも不正解となります。
最後に「②ニッポン笑顔百景」です。
こちらはメロディーの隙間が埋められており、メロディーのぶつかりもありません。
よって、今回の正解はこちらとなります。
余談ですが、メロディーの隙間やぶつかりはアレンジで解消できます。
隙間は装飾音やドラムのフィルインで解決しますし、ぶつかりはメロディーの音色を変えれば済みます。
後書き
本記事では、自身がメドレーの繋ぎや重ねを考える際に意識していることを、メロディーの観点から3つ紹介しました。
- メロディーの音の長さがあっているか
- 小節をまたぐメロディーの有無
- メロディーの隙間・ぶつかりをなくす
これらを意識すると上手い繋ぎや重ねができるようになるかもしれません。
実際には音程やコード進行、原曲の関連性など、繋ぎや重ねに関与する要素はたくさんあります。
本記事が少しでも役に立つなら幸いです。いいメドレーを作ってくださいね!